(湯河原界隈) フランス料理 「エルルカン ビス」
(湯河原界隈)フランス料理 「エルルカン ビス」☆☆☆☆☆
小田原駅から東海道本線に乗り換えると、早川駅を過ぎた辺りから車窓越しに煌めいた相模湾の景色を眺めることができる。本日は姉と二人、熱海より一つ手前の湯河原の駅で降りた。途中で下車したのは、ここ湯河原の地に日本情緒豊かなフレンチレストランがあると聞き及んだからだ。駅からタクシーを拾うと、目当てのフランス料理店「エルルカン ビス」までは、オレンジラインを駆け上がり、つづら折れの細い坂道を走り抜けた、十分ほどの道程である。鬱蒼たる木々の緑に囲まれた、大観山の山麗に閑寂なレストランはあった。
道路から繋がる段だら坂を下っていくと、フレンチには似つかわしくない白紗の大きな暖簾が見えた。墨色の敷石を踏み越えて暖簾を分けエントランスで名前を告げる。驚いたことにホールは、まだ十二時前なのに五組ほどの客達が先着されていた。漆喰の白壁に媚茶をベースとした、モダンなデザインのダイニングルームは、十二卓ほどのテーブルが整然と配置され、そのキャパシティーは三十席ほどである。私達二人は一番奥の窓際テーブル席へと案内される。本日の客層は地元の別荘族が中心のようで、年配の方が多いように見受けられた。
テーブルに面した大きな窓硝子の外にはテラスが広がり、孟宗竹と真竹の生い茂った竹林が麓の緑と重なって見える。吹き抜ける夏の風に竹林がしなると木漏れ日も揺れて、心地よい雰囲気を醸し出している。アペリティフに私はシャンパン(千五百七十五円)を、姉は山桃の自家製ジュースを使った季節のシャンパンカクテル(千六百八十円)を貰う。ここの昼のコース料理は三千六百七十五円と五千二百五十円の二つのコースがあり、あとはアラカルトとなる。食欲が旺盛な私は予約のときにディナーメニューより、全十品で構成されるシェフ特別のお任せコース(一万二千六百円)を注文しておいた。食欲を刺激する冷たいアミューズが運ばれて昼餐の時が始まる。料理に合わせた酒は、数杯のグラスワイン(千五十円)を嗜んだ。本日供された料理はつぎのとおりである。
アミューズ「焼きモロコシのババロア 海胆添え」
一皿目の前菜「炭火焼きの鰻 胡瓜のゼリー寄せ」
二皿目の前菜「牛肉のタルタル(微塵茄子入り)バジルソース」
三皿目の前菜「蝦夷鮑(肝・エリンギ添え)エスカルゴ風バター」
メインの魚料理「金目鯛のグリル ガスパチョソース」
口直し「パッションのグラニテ」
メインの肉料理「仔羊のロースト トマト・茄子・ズッキーニ添え」
ご飯物「鯛炊き込みご飯」
本日のデザート「桃尽くしのデザート 生桃・桃のソルべ・桃のゼリー・桃のスープ」
「エルルカンのブラジルプリン」、「エスプレッソダブル」
料理全体の印象については、現代風なフランス料理に和のテイストを巧みに取り入れた「エルルカン ビス」の料理は、どれもめっぽう美味しいものである。惜しみなく旬の素材を使い、炭火で焼くなど日本の料理技法を駆使し、素材の旨さを十分に引き出していた料理は、どの皿も大変丁寧に作られていたように思えた。一皿のポーションは極めて適量であり、食後には心地よい満足感を得ることができた。
ホールのサービスは男女二名のスタッフが担当されていたが、付かず離れず行届いたサービスが提供された。特に男性スタッフのサービスレベルは高いものに感じられ、ゆったりと落ち着いた食事時間が楽しめたと思う。しかしサービスの人数が足りないため、繁忙を極めた時間帯にホールから、あたふたとした印象を受けたのは残念である。
皿数が多いためか、私達がランチタイムの最後の客となった。食事が終わってからスタッフの勧めで、姉と二人テラスにある温泉足湯で寛いだ。風に吹かれ、少し熱めの湯に足を浸しながら、竹林が擦れ合う音を聴いていたら、日常の煩わしさや都会の喧噪などすっかり忘れ去った。
(お店の紹介)
フランス料理「エルルカン ビス」
神奈川県足柄下郡湯河原町宮上744-49
TEL 0465-62-3633
定休日 水曜日 (予約した方が望ましい)
私達は、「シェフの色彩 おまかせ料理」の一万二千六百円のコースと、お酒などで、34,765円でした。
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