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(タイ料理)セラドン

「セラドン」☆☆☆☆

 蒸し暑い陽気が続くと「辛くて、酸っぱくて、甘い」スパイシーな料理が恋しくなる。夏の日も傾いた、七月日曜日の夕刻、京王線笹塚駅から十分ほども歩いていくと、甲州街道沿いの建物の一階に、目当てのタイ料理店「セラドン」を見つけることができる。

 天井の高いホールは座席の間隔も広々として、汗ばんだ額に涼やかな風も吹き過ぎて気持ちがいい。設えられた調度品にはセンスの良さが窺え、店内は異国情緒を味わうことができる。そのホールのキャパシティーは三十八席ほどである。

このレストランの夜の料理は、ロータス(蓮華)やオーキッド(蘭)など花の名が付けられた三千四百円、四千円、五千円の三種のコース料理と、たくさんの種類のアラカルト料理とがある。当日は「タイ料理の人気メニューを揃えたデラックスコース」だというオーキッドコース(五千円)を注文してみた。コース二品目のスープ料理は五種類からのプリフィクスとなっている。連れの希望で六品目のレッドカレーを、彼女の好物であるグリーンカレーに変更してもらう。突き出しのエビ煎餅と、よく冷された獅子ラベルのシンハビールに喉が鳴る。

本日供された料理は次のとおりだ。

①「前菜盛り合わせ」タイ王国セラドンの青磁器に盛られ運ばれた、「生春巻き、揚げ春巻き、タイ風さつま揚げ、タイ風海老しんじょ」などの、おつまみ盛り合わせは、円やかな味わいの逸品である。皿の中央には人参や胡瓜の彩かなカービングも添えられている。たちまちにシンハビール二本が空となった。

②スープは世界三大スープである「トムヤムクン」をチョイスした。チキンをベースにした香り高い濃厚なスープは、辛さよりもライム風味の強い酸っぱさが際立ったものである。私には今まで味わった「トムヤムスープ」の中では、最も美味なものに思えた。

③「辛口シーフードサラダ」

④「マナガツオのチリソースかけ」関東では馴染みの浅い真名鰹もお国が変われば花形の魚となる。小振りのマナガツオ一尾が高温の油でパリパリとした食感に揚げられている。簡単な手法な料理であろうが、かけられたチリソースは辛さと甘さの両方が感じられる味であり、なかなかに美味い。

⑤「青野菜のガーリック炒め」にんにくや赤唐辛子と共に牡蠣油で炒められた青野菜からは、こってりした風味と旨味が感じられる。

⑥「海老のグリーンカレーライス」定番のタイ料理である。カレーペーストは激辛な青唐辛子ブリッキーヌが使われてココナッツミルクで仕立ててある。

⑦デザートは「ココナツアイス」や「タロイモのプリン」など。

料理全体の印象は、日本人の嗜好に合わせた「セラドン」のタイ料理は、私の口には合って、どれも大変美味しく感じられた。サービスを担当された女性オーナーからは細かい気配りが伝わり、スタッフのタイ人の御主人は心を和ませる接客で私達を持て成してくれた。供された「辛くて、酸っぱくて、甘い」タイ料理に合わせて、シンハビール、チャーンビール、クロスタービールなどタイ王国のビールを飲み比べてみるのも楽しいものだ。また訪れてみたいエスニック料理のレストランである。

(追記)この店は全席で喫煙が可能なようだ。当日は殆ど満席の盛況であったが、幸いにして誰一人として煙草を吸う者はなく、快適な夕餉の時間を過すことができた。禁煙のレストランにされることを切望する。

ホームページの「東京食道楽記(極上の味を求めて)」では、男女二人が、それぞれの視点から、食べ歩きの原稿を書き上げております。興味のある方はご覧になってください。
http://www18.ocn.ne.jp/~gokujyou/

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