(西洋料理)資生堂パーラー銀座本店
「資生堂パーラー銀座本店」 ☆☆
平日休みの昼下がりに所用のため銀座を訪れた。昼食は連れが「資生堂パーラー銀座本店」を予約しておいてくれた。銀座通りを首都高速に向かって、ゆるゆる歩いていくと煉瓦色の外壁に彩られた東京銀座資生堂ビルを見つけることができる。
ビルの四階でエレベターを降りると灰黄色を基調とした垢抜けたダイニングルームが広がっていた。さすがに昼時は、サラリーマンやカップル、女性グループなどの客達で満席の盛況である。ホール大小のテーブル席は真っ白なテーブルクロスが輝いて、高級感と清潔感とが感じられた。連れと案内されたのは、寛いで食事が楽しめそうな一番奥の壁際のテーブル席である。
ここのランチコースはフランス料理のような四千二百円と八千円のコース料理と、平日二時まで限定の「銀座モダンランチ」(三千八百円)の三コースがあり、後はアラカルトとなる。既に八十年の歴史を有し西洋料理の草分け的な存在であるこの料理店では、伝統ある定番メニューを味わってみたいと思っていた。
適量で多種の料理を楽しみたい私達は相談の上、昔からの定番メニューの「ミートクロケット」や「ビーフカレーライス」などが盛り込まれ、コース名の響きも気になった「銀座モダンランチ」を注文する。更にメニューより秋の実りの栗を用いた「栗のクリームスープ」(五百円)を追加して貰った。
サービスの男性スタッフから飲み物を尋ねられ、食前酒はグラスシャンパン(千四百円・アンリオブリュット)と食中にはグラスの白ワイン(千百円・ミュスカデセブール)など頂いたのだが、この店が街の洋食屋であるのかフランス料理店なのか、中途半端で奇妙な雰囲気には最後まで馴染むことが出来なかった。客筋も明らかに気取り過ぎと思われる年配カップルや、騒々しい女性グループ客、サラリーマン客など様々である。そして平日休みのためカジュアルなセーター姿で訪れた私達に、ホール責任者と思しき熟年男性の態度が慇懃無礼だと感じられたのは如何なものか。どこか己を勘違いされているその御仁は、接客業に携わるのは不適格であるとさえ思える。
本日供された料理はつぎのとおりだ。
「ミネストローネ」トマトの野菜スープだ。具には薄切りや微塵にされたジャガイモ、人参、玉葱、キャベツなどが入る。
「栗のクリームスープ」栗の風味が生かされたカプチーノ仕立ての滑らかな味わいのスープで美味しく感じられた。黒トリュフが散らされている。
「ミートクロケット」細かく切られた牛肉をベシャメルソース(ホワイトソース)と合わせ揚げてからオーブンで焼き上げてある。濃密な俵型のコロッケには酸っぱめのトマトソースが掛けられている。
魚料理「鮭のソテー ノワゼットソース」キャベツ、モロッコインゲン、蕪、トマトなどが添えられた。
「ビーフカレーライス」別々に供される銀の器に盛られたカレーとご飯が、高級感を演出している。
「銀座モダンランチ」のコースにはコーヒーと小菓子が付くがデザートはないので、連れと三種類のケーキを注文しシェアすることにした。
デザート三種「ブッシュ ド ノエル」千円、「モンブラン」六百二十円、「マカロン」六百二十円
「コーヒー」
料理全体の印象は、残念ながら追加した「栗のクリームスープ カプチーノ仕立て」を除いて誠に凡庸なものに感じられた。美味くもなければ、不味くもないというレベルの味で、特色や継承された伝統の味など見出すことなど出来ないものである。ホールを担当された若い男女のスタッフ達は親切丁寧で、件(くだん)の熟年スタッフを除きサービスレベルは高いものに思えた。
当日の昼餉の勘定は二人で二万円ほどである。会計を済ませながら私の頭の中では、美味しい料理を提供してくれる、まっとうなフレンチレストランでのランチが浮かんでは消えた。
ホームページの「東京食道楽記(極上の味を求めて)」では、男女二人が、それぞれの視点から、食べ歩きの原稿を書き上げております。興味のある方はご覧になってください。
http://www18.ocn.ne.jp/~gokujyou/
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